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text:chomonju:s_chomonju458

古今著聞集 哀傷第二十一

458 二条右衛門佐重隆没後に冥官になりにけり・・・

校訂本文

二条右衛門佐重隆1)、没後に冥官(みやうくわん)になりにけり。

白河院2)、善と御罪と等しくおはします間、御生所さだまらせ給はぬよし、かの冥官申すと、ある人の夢に見たりけり。重隆、旧臣のよしみにてかく申しけるにこそ。あはれなることなり。

鳥羽院3)、このことを聞こし召して、さまざまの御ことどもありて、とぶらひ参らせられけり。

翻刻

二条右衛門佐重隆没後に冥官になりにけり白川
院善と御罪とひとしくをはしますあいた御生所さた
まらせ給はぬよし彼冥官申とある人の夢にみたりけり
重隆旧臣のよしみにてかく申けるにこそあはれなる
事也鳥羽院此事をきこしめして様々の御/s361l

http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/361

事ともありてとふらひまいらせられけり/s362r

http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/362

1)
藤原重隆
2)
白河上皇
3)
鳥羽上皇
text/chomonju/s_chomonju458.txt · 最終更新: 2020/08/04 10:25 by Satoshi Nakagawa