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text:chomonju:s_chomonju409

古今著聞集 蹴鞠第十七

409 知足院殿若くおはしましける時・・・

校訂本文

知足院殿1)、若くおはしましける時、「白河の辺にて鞠会して遊ばばやと思ひ候ふに、誰をか召加ふべき2)」と、京極殿3)へ申させ給ひければ、しばし御案ありて、「源兵衛佐4)を召し具せよ」と仰せられければ、召しにつかはしてけり。

すなはち参りたりけるを、大殿5)、「何か着たる」と内々御尋ねありければ、濃き香の布狩衣、とりどころ少し赤みたる薄紫の指貫、濃き色の二衣(ふたつぎぬ)、単衣(ひとへぎぬ)着て候ふよし、申しければ、大殿、「さればこそ」と仰せられけり。よくしやうぞきたりと思し召したりけるにこそ。

翻刻

知足院殿わかくをはしましける時白河の辺にて
鞠会してあそははやと思候に誰をか召くはへきと
京極殿へ申させ給けれは暫御案ありて源兵衛佐
を召具よと仰られけれはめしにつかはしてけり即
参たりけるを大とのなにかきたると内々御尋ありけれ
は濃香の布狩衣とりところすこしあかみたる薄
紫の指貫濃色の二衣単衣きて候よし申けれ
は大殿されはこそと被仰けりよくしやうそきたり
と思食たりけるにこそ/s307r

http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/307

1)
藤原忠実
2)
「加ふべき」は底本「くはへき」。文脈により訂正。
3) , 5)
藤原師実
4)
源行宗


text/chomonju/s_chomonju409.txt · 最終更新: 2020/05/31 12:52 by Satoshi Nakagawa