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text:chomonju:s_chomonju408 [2020/05/25 23:05] – 作成 Satoshi Nakagawatext:chomonju:s_chomonju408 [2020/05/25 23:08] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa
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 ===== 校訂本文 ===== ===== 校訂本文 =====
  
-後二条殿((藤原師通))、三月のころ、白河の斎院((白河天皇皇女令子内親王))へ参り給ひて、御鞠会(おんまりゑ)ありけるに、しばしありて、汗衫(かざみ)着たる童、扇をさして、片手より蒔絵の手筥の蓋(ふた)に薄様(うすやう)敷きて、雪を多く盛りて、日隠(ひかくし)の間の御縁に置きて、帰り入りにけり。御汗など垂りげにて、日隠の間に沓履きながら((「ながら」は底本「なと」。諸本により訂正。))御尻かけて、御手などにては取らせ給はで、檜扇(ひあふぎ)の先にて少しすくひてなりけるが、凍(し)みたる雪もて、御直衣に((底本「に」なし。諸本により訂正。))かかりたりけるが溶けて、二重裏にうつりて出でて、むらむらに見えける。さて御鞠ありける、いと美しうやさしくなん侍りける。+後二条殿((藤原師通))、三月のころ、白河の斎院((白河天皇皇女令子内親王))へ参り給ひて、御鞠会(おんまりゑ)ありけるに、しばしありて、汗衫(かざみ)着たる童、扇をさして、片手より蒔絵の手筥の蓋(ふた)に薄様(うすやう)敷きて、雪を多く盛りて、日隠(ひかくし)の間の御縁に置きて、帰り入りにけり。 
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 +御汗など垂りげにて、日隠の間に沓履きながら((「ながら」は底本「なと」。諸本により訂正。))御尻かけて、御手などにては取らせ給はで、檜扇(ひあふぎ)の先にて少しすくひてなりけるが、凍(し)みたる雪もて、御直衣に((底本「に」なし。諸本により訂正。))かかりたりけるが溶けて、二重裏にうつりて出でて、むらむらに見えける。さて御鞠ありける、いと美しうやさしくなん侍りける。
  
 ===== 翻刻 ===== ===== 翻刻 =====
text/chomonju/s_chomonju408.txt · 最終更新: 2020/05/25 23:08 by Satoshi Nakagawa