text:chomonju:s_chomonju405
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text:chomonju:s_chomonju405 [2020/05/24 03:02] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:chomonju:s_chomonju405 [2020/05/24 03:05] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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- | 絵師大輔法眼賢慶御の弟子に、なにがしとかやいふ法師ありけり。賢慶逝去の後、後家と不快になりて、相論のことありけり。 | + | 絵師大輔法眼賢慶の御弟子に、なにがしとかやいふ法師ありけり。賢慶逝去の後、後家と不快になりて、相論のことありけり。 |
六波羅に訴へけれども、ことゆかで、ほど経ければ、この法師、絵もさかしく書ける者にて、件(くだん)の後家がありさま・振舞ひを、始めより書きあらはしてけり。間男して会合したる所など、さまざまに描きて、えもいはず色どりて、詞(ことば)付けて、六波羅へ持ちて行きて、奉行の者どもに見せければ、訴訟をことに執(しふ)し申さんの心はなかりけれども、絵その興あるによりて、とかくもてさまよふほどに、両国司までも見て、訴訟の旨(むね)くわしく心得ほどきにけり。さて、つひに勝ちにけり。 | 六波羅に訴へけれども、ことゆかで、ほど経ければ、この法師、絵もさかしく書ける者にて、件(くだん)の後家がありさま・振舞ひを、始めより書きあらはしてけり。間男して会合したる所など、さまざまに描きて、えもいはず色どりて、詞(ことば)付けて、六波羅へ持ちて行きて、奉行の者どもに見せければ、訴訟をことに執(しふ)し申さんの心はなかりけれども、絵その興あるによりて、とかくもてさまよふほどに、両国司までも見て、訴訟の旨(むね)くわしく心得ほどきにけり。さて、つひに勝ちにけり。 |
text/chomonju/s_chomonju405.txt · 最終更新: 2020/05/24 03:05 by Satoshi Nakagawa