text:chomonju:s_chomonju392
古今著聞集 画図第十六
392 能通絵師良親に屏風二百帖に絵を描かせたりけり・・・
校訂本文
能通1)、絵師良親に屏風二百帖に絵を描かせたりけり。その中に、坤元録(こんげんろく)の屏風をば、良親相伝の本にてなん描き侍りけり。
大女御2)参り給ひける時、二条殿に参らせさせてんげり。色紙形は四条大納言3)ぞ書かれける。さらにまた、為成4)をして写されけり。正本は一の人5)の御相伝の物に侍るにこそ。
また、和漢抄6)は屏風には中巻水7)を描き、上に唐絵を描き、下に大和絵を描きたりけり。唐絵の屏風は、実範8)伝へたりけるを、成章9)に沽脚(こきやく)しにけるとぞ。
翻刻
能通絵師良親に屏風二百帖に絵をかかせたりけり その中に坤元録屏風をは良親相伝の本にてなん かき侍けり大女御参給ける時二条殿にまいらせさせ てんけり色紙形は四条大納言そかかれける更に又 為成をしてうつされけり正本は一の人の御相伝の 物に侍にこそ又和漢抄は屏風には中巻水をかき 上に唐絵をかき下にやまと絵をかきたりけり 唐絵の屏風は実範つたへたりけるを成章に 沽脚しにけるとそ/s295l
text/chomonju/s_chomonju392.txt · 最終更新: 2020/05/16 12:41 by Satoshi Nakagawa