text:chomonju:s_chomonju378
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text:chomonju:s_chomonju378 [2020/05/09 21:30] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:chomonju:s_chomonju378 [2020/05/09 21:30] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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宇治左府((藤原頼長))、随身公春((秦公春))を不便(ふびん)なる者に思し召したること、めだたしきほどのことなり。 | 宇治左府((藤原頼長))、随身公春((秦公春))を不便(ふびん)なる者に思し召したること、めだたしきほどのことなり。 | ||
- | ある時、いかなることかありけむ、みづから公春打たんとせさせ給ひけるに、公春、大臣(おとど)の御手を取りて、「もし打たせ給はば、御手を折るべし。君といふとも、いかでか打たせ給ふべき」と申しければ、大臣、罪を乞はせ給ひて、逃れ給ひにけり。 | + | ある時、いかなることかありけむ、みづから公春打たんとせさせ給ひけるに、公春、大臣(おとど)の御手を取りて、「もし打たせ給はば、御手を折るべし。君といふとも、いかでか打たせ給ふべき」と申しければ、大臣、罪を乞はせ給ひて、逃れ給ひにけり。公春、笑ひて申しけるは、「もし十人といふとも、公春一人に当たり給ふべからず。今より後も、かかることなせさせ給ひそ((「給ひそ」は底本「給に」。諸本により訂正。))」と申しければ、大臣、承諾せさせ給ひけり。 |
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- | 公春、笑ひて申しけるは、「もし十人といふとも、公春一人に当たり給ふべからず。今より後も、かかることなせさせ給ひそ((「給ひそ」は底本「給に」。諸本により訂正。))」と申しければ、大臣、承諾せさせ給ひけり。 | + | |
それより御勘当なかりけり。公春は大力にてなむ侍りけり。 | それより御勘当なかりけり。公春は大力にてなむ侍りけり。 |
text/chomonju/s_chomonju378.1589027419.txt.gz · 最終更新: 2020/05/09 21:30 by Satoshi Nakagawa