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text:chomonju:s_chomonju369

古今著聞集 馬芸第十四

369 建保五年新日吉の小五月会に新院の番長秦頼峰府生同武澄・・・

校訂本文

建保五年、新日吉(いまひえ)の小五月会(こさつきゑ)に、新院1)の番長(ばんぢやう)秦頼峰・府生同武澄2)つかうまつりけるに、頼峰追ひて勝ちにけるが、馬場末にて落ちて死たりけるを、郎等走りて、父頼武3)が御桟敷に候ひけるに、「先生殿の死なせ給ひて候ふ」と告げたりければ、頼武、「かひて捨て候へ」と言ひたりけるに、また下人走りて、「生き出でさせ給ひて候ふが、御冠のひしげて、え参らせ給はぬ」と告げたりければ、「おれらが烏帽子ぞかし」と言ひたりければ、すなはち下人が烏帽子を引き入れて、あげて参りたりける、いみじう見えけり。

翻刻

建保五年新日吉の小五月会に新院番長秦頼
峯府生同武澄つかうまつりけるに頼峯追て勝に
けるか馬場末にて落て死たりけるを郎等はし
りて父頼武か御桟敷に候けるに先生殿の死なせ
給て候とつけたりけれは頼武かひて捨候へといひ/s270l

http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/270

たりけるに又下人走ていきいてさせ給て候か御
冠のひしけてえまいらせ給はぬと告たりけれは
おれらか烏帽子そかしといひたりけれは則下人か
烏帽子を引入てあけてまいりたりけるいみし
う見えけり/s271r

http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/271

1)
土御門上皇
2)
秦武澄
3)
秦頼武


text/chomonju/s_chomonju369.txt · 最終更新: 2020/05/07 11:43 by Satoshi Nakagawa