text:chomonju:s_chomonju345
古今著聞集 弓箭第十三
345 長暦二年三月十七日殿上人十余人野宮へ参りたりけるに・・・
校訂本文
長暦二年三月十七日、殿上人十余人、野宮(ののみや)へ参りたりけるに、御殿の東の庭に畳を敷きて、小弓の会ありけり。また蹴鞠もありけり。夕べに及びて膳を勧められける間、簾中より管絃の御調度を出だされたりければ、すなはち糸竹・雑芸(ざふげい)の興もありけり。また和歌もありけるとかや。
昔はかく期せざることも、やさしく面白きこと、常のことなりけり。いみじかりける世なり。
翻刻
長暦二年三月十七日殿上人十余人野宮へ参り/s254r
たりけるに御殿東庭に畳を敷て小弓の会あり けり又蹴鞠もありけり夕に及て饍をすすめられ けるあいた簾中より管絃の御調度を出された りけれは即糸竹雑藝の興もありけり又和歌も有 けるとかや昔はかく期せさる事もやさしく面白き 事常の事なりけりいみしかりける世なり/s254l
text/chomonju/s_chomonju345.txt · 最終更新: 2020/04/27 15:50 by Satoshi Nakagawa