text:chomonju:s_chomonju334
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text:chomonju:s_chomonju334 [2020/04/24 15:10] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:chomonju:s_chomonju334 [2020/06/20 23:44] (現在) – Satoshi Nakagawa | ||
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===== 校訂本文 ===== | ===== 校訂本文 ===== | ||
- | 嵯峨天皇をば、人思ひかけ参らせたりけるに、田村丸((坂上田村麻呂))を近衛将監になし給ひて、御身近く候ひければ、この官退(の)きて退出の時待ちけるほどに、少将になして、なほ伺候す。四位して退かむ時を待つに、中将になり、大将になりて、御身を離れ奉らざりければ、逆臣、思ひ寄らざりけりとぞ、申し伝へて侍る。 | + | 嵯峨天皇をば、人思ひかけ参らせたりけるに、田村丸((坂上田村麻呂))を近衛将監になし給ひて、御身近く候ひければ、この官退(の)きて退出の時待ちけるほどに、少将になして、なほ祗候す。四位して退かむ時を待つに、中将になり、大将になりて、御身を離れ奉らざりければ、逆臣、思ひ寄らざりけりとぞ、申し伝へて侍る。 |
また、白河院((白河上皇))、御代を筵(むしろ)のごとくに巻きて持たおはしましたりしが、なほ武者を立てて((北面の武士))、およそたゆませおはしまさざりけり。仰せごとありけるは、「小一条院((敦明親王))は、世のをこの人にてありけるが、頼義((源頼義))を身を放たで持たりけるが、きはめてうるせく覚ゆるなり。今はわれが侍へれば」とこそ、忠盛朝臣((平忠盛))には仰せごとありけれ。 | また、白河院((白河上皇))、御代を筵(むしろ)のごとくに巻きて持たおはしましたりしが、なほ武者を立てて((北面の武士))、およそたゆませおはしまさざりけり。仰せごとありけるは、「小一条院((敦明親王))は、世のをこの人にてありけるが、頼義((源頼義))を身を放たで持たりけるが、きはめてうるせく覚ゆるなり。今はわれが侍へれば」とこそ、忠盛朝臣((平忠盛))には仰せごとありけれ。 | ||
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嵯峨天皇をは人思かけまいらせたりけるに田村丸を | 嵯峨天皇をは人思かけまいらせたりけるに田村丸を | ||
近衛将監になし給て御身ちかく候けれは此官 | 近衛将監になし給て御身ちかく候けれは此官 | ||
- | のきて退出の時待ける程に少将になして猶祇候す | + | のきて退出の時待ける程に少将になして猶祗候す |
四位してのかむ時をまつに中将になり大将に成て御 | 四位してのかむ時をまつに中将になり大将に成て御 | ||
身をはなれたてまつらさりけれは逆臣おもひよら | 身をはなれたてまつらさりけれは逆臣おもひよら |
text/chomonju/s_chomonju334.txt · 最終更新: 2020/06/20 23:44 by Satoshi Nakagawa