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古今著聞集 孝行恩愛第十
306 後白河院在藩の御時保延五年十二月廿七日待賢門院の御所三条殿にて・・・
校訂本文
後白河院1)在藩の御時2)、保延五年十二月廿七日、待賢門院3)の御所三条殿にて、御元服ありけり。仙院4)も御座ありけり。左大臣(花園有仁)5)ぞ加冠はし給ひける。
御遊の笙のこと、内大臣(宇治頼長)6)に仰せられけるに、去る四日、春宮大夫師頼卿7)失せられにしに、いくほどもなくて笙を吹かんこと憚(はばか)りあり」とて、手に所労のよし申されて、吹き給はざりけり。
漢書の説は、近代読み伝へたる人まれに侍るに、かの大夫、江家(がうけ)の説を伝へられたりければ、内府習ひ給ひけり。師を重んずる例、いみじくぞ侍る。
翻刻
後白河院在藩の御時保延五年十二月廿七日待賢門院 の御所三条殿にて御元服ありけり仙院も御座ありけり 左大臣(花園有仁)そ加冠はし給ける御遊の笙の事内大臣(宇治頼長)に仰られ けるに去四日春宮大夫師頼卿うせられにしにいく程もなくて 笙を吹ん事憚ありとて手に所労の由申されて吹給は さりけり漢書説は近代よみ伝たる人まれに侍に彼大夫江家 の説をつたへられたりけれは内府習給けり師をおもん/s212r
する例いみしくそ侍る/s212l
text/chomonju/s_chomonju306.txt · 最終更新: 2020/04/15 12:11 by Satoshi Nakagawa