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text:chomonju:s_chomonju278

古今著聞集 管絃歌舞第七

278 同院箏を弾かせ給ひける折初夜の鐘はつきぬるかと御尋ねありけるに・・・

校訂本文

同院1)、箏を弾かせ給ひける折、「初夜の鐘はつきぬるか」と御尋ねありけるに、聞きたる者なかりけるに、釜殿(かなへどの)が申しけるは、「御所の方にこそ鐘の声は聞こえ侍りつれ」と申しけるを、人伝へ申しければ、「わが箏はいたりにけり。良き箏は鐘の声に似たるなり」とぞ仰せられける。

翻刻

いみしき御事なれ同院箏をひかせ給けるおり初夜の
鐘はつきぬるかと御尋ありけるにききたる物なかりけ
るに釜殿か申けるは御所のかたにこそ鐘の声はきこえ侍
つれと申けるを人つたへ申けれは我箏はいたりにけりよき
箏は鐘の声に似たるなりとそ仰られける/s188l

http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/188

1)
白河上皇。277参照
text/chomonju/s_chomonju278.txt · 最終更新: 2020/04/07 12:19 by Satoshi Nakagawa