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text:chomonju:s_chomonju263

古今著聞集 管絃歌舞第七

263 同じ院の御時楽敵のことありけり・・・

校訂本文

同じ院1)の御時、楽敵のことありけり。

殿上、三台を奏す。主上、御笛あそばしけり。破二反、急三反、さらにまた急数反あり。

この答に、地下(ぢげ)五常楽を奏す。笛(時元2))、序の後詠の段々、常のごとし。破六反おはりて急を奏するに、ことに叡感ありて、「楽とどむべからず」と天気ありけり。

その間に夜の月窮(きは)めて昇りぬ。地下の勝になりにけり。

翻刻

同院の御時楽敵の事ありけり殿上三臺を奏す主上
御笛あそはしけり破二反急三反さらに又急数返あ/s174l

http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/174

りこの答に地下五常楽を奏す笛(時元)序後詠の
段々常のことし破六反畢て急を奏するに殊叡感あ
りて楽ととむへからすと天気ありけり其間に
夜月窮昇ぬ地下の勝になりにけり/s175r

http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/175

1)
堀河天皇。262参照。
2)
豊原時元
text/chomonju/s_chomonju263.txt · 最終更新: 2020/04/02 16:50 by Satoshi Nakagawa