text:chomonju:s_chomonju239
古今著聞集 管絃歌舞第七
239 同じき三年四月十二日飛香舎にて藤花宴ありけり・・・
校訂本文
同じき1)三年四月十二日、飛香舎にて藤花宴ありけり。右大臣2)・左衛門督3)・左兵衛督4)、候ひ給ふ。
和歌糸竹の興など果てて、女御御贈り物5)ありけり。先皇6)の勤子内親王に賜ひける箏譜三巻、貞保親王7)の用ゐたりける笛・螺鈿の箏などをぞ奉り給ひける。件(くだん)の箏、奇香あるよし、李部王(りはうわう)8)記し給ひたるとかや。いかなる匂ひにてか侍りけむ。ゆかしきことなり。
翻刻
同三年四月十二日飛香舎にて藤花宴ありけり右大臣 左衛門督左兵衛督候給和哥糸竹の興なとはてて女御 御をくり物ありけり先皇の勤子内親王にたまひける/s161r
箏譜三巻貞保親王のもちゐたりける笛螺鈿箏な とをそたてまつり給ける件箏奇香あるよし李部王 記し給たるとかやいかなるにほひにてか侍けむゆかしき事也/s161l
text/chomonju/s_chomonju239.txt · 最終更新: 2020/03/26 21:50 by Satoshi Nakagawa