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text:chomonju:s_chomonju237

古今著聞集 管絃歌舞第七

237 天慶八年正月五日右大臣家にて饗を行なはれけるに・・・

校訂本文

天慶八年正月五日、右大臣家1)にて饗を行なはれけるに、果てつ方に、式部卿親王2)と大臣(おとど)と帰徳曲を唱へられたりけるに、右近将曹伴野貞行、狛杵3)と思ひつつ、松を取りて進みけるを、大臣、帰徳のよしを告げ給ひければ、松を捨てて舞ひけり。

貞行は高麗の舞人なりけり。このこと不審。帰徳ならば、松をばなど杵4)には用ゐざりけるにか。

翻刻

天慶八年正月五日右大臣家にて饗をおこなはれけるに
はてつかたに式部卿親王とおととと帰徳曲を唱へられたりけ
るに右近将曹伴野貞行狛杵と思ひつつ松をとりて/s160l

http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/160

すすみけるをおとと帰徳のよしを告給けれは松をすてて
舞けり貞行は高麗舞人なりけり此事不審帰
徳ならは松をはなと杵には用さりけるにか/s161r

http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/161

1)
藤原実頼
2)
宇多天皇皇子敦実親王
3)
狛桙か。
4)
桙か。
text/chomonju/s_chomonju237.txt · 最終更新: 2020/03/26 19:23 by Satoshi Nakagawa