text:chomonju:s_chomonju210
古今著聞集 和歌第六
210 治承のころ人々安芸の厳島へ参られけるも風あしくて・・・
校訂本文
治承のころ、人々安芸の厳島へ参られけるも、風あしくて、「高砂のへんにあり」と聞きて、修理大夫経盛1)、実国大納言2)のもとへ申し送り侍りける、
泊まりする湊の風もけあしきに波たかさごの浦はいかにぞ
返し、
高砂の波のかからぬ折ならば風のつてにも問はれましやは
翻刻
治承の比人々安藝のいつく嶋へまいられけるも風あしくて 高砂のへんにありとききて修理大夫経盛実国大納言 のもとへ申をくり侍ける とまりする湊の風もけあしきに浪たかさこのうらはいかにそ 返し 高砂の浪のかからぬおりならは風のつてにもとはれましやは/s149l
text/chomonju/s_chomonju210.txt · 最終更新: 2020/03/16 19:08 by Satoshi Nakagawa