text:chomonju:s_chomonju202
古今著聞集 和歌第六
202 宇治入道殿に候ひけるうれしさといふはした者を顕輔卿懸想せられけるに・・・
校訂本文
宇治入道殿1)に候ひける、「うれしさ」といふはした者を、顕輔卿2)懸想(けさう)せられけるに、つれなかりければつかはしける、
われといへばつらくもあるかなうれしさは人にしたがふ名にこそありけれ
入道殿、聞かせ給ひて、「秀歌に返事なし。とく行け」とてつかはしけり。
翻刻
宇治入道殿にさふらひけるうれしさといふはした物を顕輔 卿けさふせられけるにつれなかりけれはつかはしける われといへはつらくもあるかなうれしさは人にしたかふ名にこそありけれ 入道殿きかせ給て秀哥に返事なしとくゆけとてつかはし けり/s144l
text/chomonju/s_chomonju202.txt · 最終更新: 2020/03/15 14:01 by Satoshi Nakagawa