text:chomonju:s_chomonju195
古今著聞集 和歌第六
195 宗家大納言とて神楽催馬楽歌ひてやさしく神さびたる人おはしき・・・
校訂本文
宗家大納言1)とて、神楽(かぐら)・催馬楽(さいばら)歌ひて、やさしく神さびたる人おはしき。北の方は後白河法皇の女房、右衛門佐と申しける。
宗経2)の中将生みなどして後、かれがれになりて、遠ざかり給ひけるに、
逢ふことの絶えば命の絶えなんと思ひしかどもあられける身を
と詠みてやられたりければ、返事はなくて、車をつかはして迎へ取りて、また年ごろになりけるも、やさしくこそ。
翻刻
宗家大納言とて神楽催馬楽うたひてやさしく神さひたる 人おはしき北方は後白河法皇の女房右衛門佐と申ける/s141r
宗経の中将うみなとして後かれかれに成て遠さかり給けるに あふことのたえは命のたえなんと思しかともあられける身を とよみてやられたりけれは返事はなくて車をつかはして むかへとりて又とし比になりけるもやさしくこそ/s141l
text/chomonju/s_chomonju195.txt · 最終更新: 2020/03/13 22:17 by Satoshi Nakagawa