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text:chomonju:s_chomonju129

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古今著聞集 文学第五

129 後徳大寺の左大臣納言の時昇進滞り給ひけるほどに・・・

校訂本文

後徳大寺の左大臣1)、納言の時、昇進滞り給ひけるほどに、治承元年の冬、左大将になり給ひて、二年の春、釈奠(せきてん)に参りて、

 豈図再2)接杏壇宴 あにはからんや再び杏壇の宴に接し

 衣鉢遂帰四十春 衣鉢遂に四十の春に帰せんとは

と作り給ひたるを、永範卿3)、感歎にたへず涙を流しけり。おほかた、風月の才、人にすぐれ給へるにや。

翻刻

後徳大寺の左大臣納言之時昇進ととこほり給ける程に
治承元年の冬左大将になり給て二年春釈奠
にまいりて豈図并接杏壇宴衣鉢遂帰四十春と/s98l

http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/98

つくり給たるを永範卿感歎にたへす涙をなかし
けりおほかた風月の才人にすくれ給へるにや/s99r
1)
藤原実定
2)
「再」底本「并」。諸本により訂正。
3)
藤原永範
text/chomonju/s_chomonju129.1581757696.txt.gz · 最終更新: 2020/02/15 18:08 by Satoshi Nakagawa