text:chomonju:s_chomonju122
古今著聞集 文学第五
122 永久三年七月五日式部大輔在良朝臣御侍読にて・・・
校訂本文
永久三年七月五日、式部大輔在良朝臣1)、御侍読にて、はじめて御前へ参りたりけるに、まづ朗詠をしける。「幸逢尭舜無為化(幸に尭舜の無為の化に逢ふ)」・「徳是北辰(徳はこれ北辰)」・「大公望偶周文(太公望周文に偶ふ)」等の句なり。次に古事を語り申しけり。聞く者、感ぜすといふことなし。次に管絃ありけり。主上2)、御笛を吹かせ給ふ。更闌(かうた)けて、在良朝臣、まかり出でけるに、蔵人朝隆3)、指燭さし、送りけり。ゆゆしくぞ侍りける。
翻刻
永久三年七月五日式部大輔在良朝臣御侍読にて はしめて御前へ参たりけるに先朗詠をしける幸逢 尭舜無為化徳是北辰大公望偶周文等之句也 次古事をかたり申けり聞もの感せすといふ事なし 次管絃ありけり主上御笛をふかせたまふ更闌 て在良朝臣罷出けるに蔵人朝隆指燭さしをくりけり ゆゆしくそ侍ける/s95l
text/chomonju/s_chomonju122.txt · 最終更新: 2020/02/14 02:31 by Satoshi Nakagawa