text:chomonju:s_chomonju106
古今著聞集 文学第五
106(序) 伏羲氏の天下に王としてはじめて書契を作りて・・・
校訂本文
伏羲氏(ふつきし)の天下に、王としてはじめて書契を作りて、縄を結びし政(まつりごと)にかへ給ひしより、文籍なれり。孔丘1)の仁義礼智信を広めしより、この道盛りなり。
書にいはく、「玉不琢不成器。人不学不知道。(玉琢(みが)かざれば器に成らず。人学ばざれば道を知らず。)2)」。
またいはく、「弘風導俗、莫尚於文、敷教訓民、莫善於学。(風を弘め俗を導くに、文より尚(たふと)きは莫(な)く、教へを敷き民を訓(おし)ふるに、学より善きは莫し。)」
文学の用たる、けだしかくのごとし。
翻刻
古今著聞集巻第四 文学第五 伏羲氏の天下に王としてはしめて書契をつくり て縄をむすひし政にかへ給しより文籍なれり孔丘の 仁義礼智信をひろめしより此道さかりなり書曰玉 不琢不成器人不学不知道又云弘風導俗莫尚 於文敷教訓民莫善於学文学の用たる蓋かくの ことし/s88l
text/chomonju/s_chomonju106.txt · 最終更新: 2020/02/03 22:52 by Satoshi Nakagawa