ユーザ用ツール

サイト用ツール


text:chomonju:s_chomonju007

差分

このページの2つのバージョン間の差分を表示します。

この比較画面へのリンク

両方とも前のリビジョン前のリビジョン
text:chomonju:s_chomonju007 [2020/01/08 21:36] Satoshi Nakagawatext:chomonju:s_chomonju007 [2020/01/12 23:31] (現在) Satoshi Nakagawa
行 4: 行 4:
 ===== 校訂本文 ===== ===== 校訂本文 =====
  
-一条院の御時、上総守時重といふ人あり。千部の法華経読誦の願、心中に深かりけれども、身貧しくして、僧一人語らふべき計(はからひ)なし。思ひかねて、日吉社に詣でて、二心なく祈り申しけるに、神感ありて、はからざるに上総守になりにけり。任国の最前の得分をもて、千部の経を始めてけり。+一条院((一条天皇))の御時、上総守時重((藤原時重))といふ人あり。千部の法華経読誦の願、心中に深かりけれども、身貧しくして、僧一人語らふべき計(はからひ)なし。思ひかねて、日吉社に詣でて、二心なく祈り申しけるに、神感ありて、はからざるに上総守になりにけり。任国の最前の得分をもて、千部の経を始めてけり。
  
 其夜の夢に、貴僧枕に来て云はく、「善哉(よきかな)、善哉。汝、一乗の転読企つることを」とて、感涙を流しておはしましけり。時重、「かく仰せられ候ふは、誰にて御座候ふぞ」と、尋ね申しければ、貴僧、「我は一乗の守護、十禅師なり」と答へさせ給ひて、歌をなん詠じ給ひける。 其夜の夢に、貴僧枕に来て云はく、「善哉(よきかな)、善哉。汝、一乗の転読企つることを」とて、感涙を流しておはしましけり。時重、「かく仰せられ候ふは、誰にて御座候ふぞ」と、尋ね申しければ、貴僧、「我は一乗の守護、十禅師なり」と答へさせ給ひて、歌をなん詠じ給ひける。
text/chomonju/s_chomonju007.txt · 最終更新: 2020/01/12 23:31 by Satoshi Nakagawa