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大和物語

第115段 右の大臣の頭におはしましける時に少弐の乳母のもとに詠みて給ひける・・・

校訂本文

右の大臣(おとど)1)の、頭(とう)におはしましける時に、少弐の乳母(めのと)のもとに、詠みて給ひける。

  秋の夜を待てと頼めし言の葉に今もかかれる露のはかなさ

となん。

  あきも来ず露も置かねど言の葉はわがためにこそ色変りけれ

翻刻

右のおととの頭におはしましける時に少弐の
めのとのもとによみて給ひける
  秋の夜をまてとたのめしことのはに
  いまもかかれる露のはかなさ
となん/d12l
あきもこす露もをかねとことのはは
わかためにこそいろかはりけれ/d13r
1)
藤原師輔