大和物語
右の大臣(おとど)1)の、頭(とう)におはしましける時に、少弐の乳母(めのと)のもとに、詠みて給ひける。
秋の夜を待てと頼めし言の葉に今もかかれる露のはかなさ
となん。
あきも来ず露も置かねど言の葉はわがためにこそ色変りけれ
右のおととの頭におはしましける時に少弐の めのとのもとによみて給ひける 秋の夜をまてとたのめしことのはに いまもかかれる露のはかなさ となん/d12l
あきもこす露もをかねとことのはは わかためにこそいろかはりけれ/d13r