大和物語
宇多院の花おもしろかりけるころ、南院の公達(きむだち)、これかれ集まりて、歌詠みなどしけり。
右京の大夫(かみ)宗于(むねゆき)1)、
来て見れど心もゆかずふるさとの昔ながらの花は散れども
こと人のもありけらし。
宇多院の花おもしろかりけるこ ろ南院のきむたちこれかれあつ まりてうたよみなとしけり右京 のかみむねゆき きてみれとこころもゆかすふるさとの むかしなからのはなはちれとも ことひとのもありけらし/d39l