大和物語
陽成院にありける坂上遠道(さかのうへのとほみち)といふ男、同じ院にありける女、「さはることあり」とて、会はざりければ、
秋の野を分くらん虫もわがことやしげきさはりに音(ね)をば鳴くらん
陽成院にありけるさかのうへのとをみちと いふおとこをなしゐんにありける女 さはることありとてあはさりけれは/d26r
あきの野をわくらんむしも我こと やしけきさはりにねをはなくらん/d26l