大和物語
故式部卿宮1)、二条の御息所(みやすどころ)に絶え給ひて、またの年の睦月の七日の日、若菜奉り給ひけるに、
ふるさとと荒れにし宿の草の葉も君がためとぞまづは摘みつる
とありける。
故式部卿宮二条のみやすところにたえ給 てまたのとしのむ月の七日の日わかなたて まつり給ひけるに ふるさととあれにしやとのくさの はもきみかためとそまつはつみつる とありけるをなし人をなし御子の御/d13l