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徒然草

第37段 朝夕隔てなく慣れたる人の・・・

校訂本文

朝夕隔てなく慣れたる人の、ともある時、われに心おき、ひきつくろへるさまに見ゆるこそ、「今さらかくやは」など言ふ人もありぬべけれど、なほ、「げにげにしく、よき人かな」とぞ思ゆる。

うとき人の、うちとけたることなど言ひたる、また、よしと思ひつきぬべし。

翻刻

朝夕へだてなくなれたる人のともある
時。我に心をき。ひきつくろへるさまに
見ゆるこそ。今更かくやはなどいふ人も
有ぬべけれど。なをげにげにしく。
よき人かなとぞおぼゆる。うとき人の。
うちとけたる事などいひたる。又。よし
とおもひつきぬべし/w1-28l

http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he10/he10_00934/he10_00934_0001/he10_00934_0001_p0028.jpg