十五日、今日、小豆粥(あづきがゆ)煮ず。口惜しく、なほ日の悪しければ、ゐざるほどにぞ、今日二十日(はつか)あまり経ぬる。いたづらに日を経れば、人々、海を眺めつつぞある。
女(め)の童(わらは)の言へる、
立てば立つゐれはまたゐる吹く風と波とは思ふどちにやあるらん
いふかひなき者の言へるには、いと似つかはし。
十五日けふあつきかゆにすくちを しくなほひのあしけれはゐさる ほとにそけふはつかあまりへぬるいた つらにひをふれはひとひとうみを なかめつつそあるめのわらはのいへる/kd-23l
https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/100421552/23?ln=ja
たてはたつゐれはまたゐるふくかせと なみとはおもふとちにやあるらんいふか ひなきもののいへるにはいとにつかはし/kd-24r