醒睡笑 巻8 平家
<<PREV 『醒睡笑』TOP NEXT>>
「土肥1)の次郎実平2)は、大手の木戸口(きどぐち)に主従五騎にてひかへたる」と教へければ、弟子思ふ、「ひかへ物こそあらめ、御器(ごき)は異なものや。せめて椀(わん)はまさりなん」と、晴れがましきところにて、「主従椀にてひかへたる」と語れり。
一 土井の次郎実平は大手の木戸口に主従 五騎にてひかへたるとをしへけれは弟子おもふ ひかへ物こそあらめ五きはいな物やせめてわんは/n8-34r
まさりなんとはれかましき処にて主従 わんにてひかへたるとかたれり/n8-34l