醒睡笑 巻8 頓作
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ある出家、旧友のもとに泊り、頭巾を忘れて帰りたれば、その主(ぬし)の方へ文を添へて持たせ送りつる。
行平のゆかりにたぐふお僧さま御立烏帽子残し給ひつ1)
返歌、
立ち別れいなばやなんと思ひしに形見の頭巾今かへりきぬ2)
一 ある出家旧友のもとにとまり頭巾をわすれ て帰りたれは其ぬしのかたへ文をそへてもたせ 送りつる 行平のゆかりにたくふお僧さま 御立烏帽子残し給ひつ 返哥 立別れいなはやなんとおもひしに 形見の頭巾今かへりきぬ/n8-32l