醒睡笑 巻7 謡
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「われはこのほど歯が抜けた」とて悲しめば、「歯の抜くるは命の長からんしるしにてあると書きたるは」。「いかなる書物にあるぞ」。「関寺小町1)に、『落ちても残りけるは露の命なりけり2)』と」。
一 我れはこのほと歯(は)かぬけたとてかなしめば 歯のぬくるは命の長からんしるしにてある/n7-50l
と書たるはいかなる書物にあるぞ関寺(せきでら)小町 におちても残りけるは露の命也けりと/n7-51r