醒睡笑 巻6 恋のみち
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時宗の寺に、長阿弥といふ喝食(かつじき)あり。やるせなく執心(しふしん)する者、言い寄らん便りもなきに、「一首わが代りに詠みて賜べ。送りたや」と頼みければ、
あぢきなや長阿弥陀仏(ちやうあみだぶ)の決定(けつぢやう)は往生よりも望みなりけり
一 時宗の寺に長阿弥といふ喝食ありやるせな くしうしんする者いひよらんたよりもなきに 一首我が代によみてたべ送たやとたのみけれは あちきなや長阿弥陀ふのけつちやうは 往生よりものそみなりけり/n6-33r