醒睡笑 巻6 児の噂
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児(ちご)と寝(い)ねたるに、法師、口を吸ふとて、いかがありけん、歯を一つ吸ひ抜きたり。肝をつぶし暇(いとま)乞ひまでもなく、逃げて帰り、静かに火を灯(とぼ)し見れば、麦飯にてぞ候ひける。
ふたしなみな児のありさまや1)。
一 児といねたるに法師口をすふとていかかあ りけん歯を一つすひぬきたり肝をつふし暇 こひまてもなくにけてかへりしつかに火をと ほし見れは麦飯にてそ候ける ふたしなみな児のありさまや/n6-17r