醒睡笑 巻5 婲心
夢庵(むあん)1)は常に牛に乗りて遊行(ゆぎやう)ありし。月白けて興ある夜、野に出でらるるに、牛、芋畠(いもばたけ)へ引き行く。畠主(はたぬし)、腹立(ふくりふ)しわめきければ、「こらへよ。歌を詠みて、そのことわりを聞かせん」と、
醒睡笑巻之五 婲心 一 夢庵(むあん)は常に牛に乗て遊行(ゆぎやう)ありし月しら けて興(けう)ある夜野に出らるるに牛芋畠へ ひき行畠主腹立しわめきけれはこら へよ哥をよみてそのことはりを聞(きか)せんと 月も見すいもが子とものねいりたを をこしにきたはいかかあるへき/n5-3l