醒睡笑 巻4 聞こえた批判
春のころ、野遊びに人あまたさそひ出で、このもかのもを見る折から、胡蝶(こてふ)の三つ連れて飛ぶを、「蝶1)ならば二つか四つこそあるべけれ」と言ふに、児(ちご)のうちより、
ひとつをも千鳥といへる名のあれば三つをもてふといふべかりけり
一 春のころ野あそひに人あまたさそひ出このも かのもを見る折から胡蝶(てふ)のみつつれて/n4-19r
とぶをてふならば二つか四つこそあるべけれと いふに児のうちより ひとつをも千鳥といへる名のあれは みつをもてふといふへかりけり/n4-19l