醒睡笑 巻2 躻(うつけ)
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ある長老の高座にて、諷誦(ふじゆ)を読み終り、施主(せしゆ)の高悦といふ二字の内、一字読みを忘れ、「施主高、施主高」と、なんべんも言ひて、あげくに、「施主高よろこぶ」と言はれしも、健忘の病なるべし。
一 ある長老の高座にて諷誦をよみをはり施主の 高悦といふ二字の内一字よみを忘れ施主高々 となんへんもいひてあけくに施主高よろ こふといはれしも健忘の病なる へし/n2-27l