蒙求和歌
孫康映雪 雪
孫康、家貧しくして、油なかりければ、雪を映(てら)し書を読みにけり。
若かりし時1)、小人に交はり遊ぶこともなく、文にのみ心をそめける2)。
後に御史大夫に至りにけり。
夜もすがら簾(すだれ)をのみぞ掲げつる文見る3)庭の雪の灯火(ともしび)
孫康映雪 雪 〃〃家マツシクシテ油ナカリケレハ映(テラシ)雪(ヲ)書ヲ読ニケリ少(ワカカリシ時)小人ニ マシハリアソフ事モナク文ニノミ心ヲノメケル後ニ御史大夫ニイタリニケリ ヨモスカラスタレヲノミソカカケツルフミシルニハノユキノトモシヒ/d1-31r