蒙求和歌
公超霧市 霧
後漢の公超は長楷が字(あざな)なり。術道にかしこかりし人なり。よく五里の霧を為る。
学ぶ者の、これに随ひて、居る所に市を成す。ゆゑに、「花陰に公超が市あり」と言へり。
時に、関西の人裴優、三里の霧を作れりけり。
隔つるも晴れゆく色と見る者を人の心のあき霧の空
公超霧市 霧 後漢ノ公超ハ長楷カアサナナリ術道ニカシコカリシ人也 善為五里ノ霧ヲ学ナフ者ノ随ヒテ之ニ所ニ居ル成ス市ヲ故花陰有リト 公超市云リ時ニ関西ノ人裴優三里ノキリヲツクレリケリ ヘタツルモハレユクイロトミルモノヲヒトノココロノアキキリノソラ/d1-26l