十訓抄 第五 朋友を撰ぶべき事
寛和の斎宮1)、野宮(ののみや)におはしけるに、公役2)滝口平致光とかやいひける者に名立ち給ひて、群行もなくてすたれ給ひけり。
それより、野宮の公役3)はとどまりにける。
十寛和斎宮野宮ニオハシケルニ、工役滝口平致光ト カヤ云ケル者ニ名立給テ、群行モナクテスタ レ給ケリ、其ヨリ野宮ノ工役ハトトマリニケル/k16