伊勢物語
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昔、みちの国にて、男・女住みけり。男、「都へいなん」と言ふ。この女、いと悲しうて、「むまのはなむけをだにせむ」とて、おきのゐてみやこじまといふ所にて、酒飲ませて詠める、
おきのゐて身を焼くよりも悲しきは都しまべの別れなりけり
むかしみちのくににておとこ女すみけり おとこ宮こへいなんといふこの女いと かなしうてむまのはなむけをたにせむと ておきのゐて宮こしまといふ所にてさけ/s119r
のませてよめる おきのゐて身をやくよりもかなしきは みやこしまへのわかれなりけり/s119l
https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200024817/119?ln=ja