伊勢物語
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昔、宮の内にて、ある御達(ごたち)の局(つぼね)の前をわたりけるに、何のあたにか思ひけん、
よしや草葉よ ならんさが見む
と言ふ。
男、
罪もなき人をうけへば忘れ草おのが上にぞ生ふといふなる
といふを、ねたむ女もありけり。
むかし宮のうちにてあるこたちのつほね のまへをわたりけるになにのあたにか おもひけんよしやくさはよならんさ かみむといふおとこ つみもなき人をうけへはわすれくさ をのかうへにそおふといふなる/s45r
といふをねたむ女もありけり/s45l
https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200024817/45?ln=ja