昔、男ありけり。京や住み憂かりけん。「東(あづま)のかたに行きて住み所求む」とて、友(とも)とする人一人二人して行きけり。信濃の国、浅間(あさま)の嶽(たけ)に、煙(けぶり)の立つを見て、
信濃なる浅間の嶽に立つ煙をちこち人の見やはとがめぬ
昔おとこありけり京やすみうかりけん あつまのかたにゆきてすみ所もとむとて ともとする人ひとりふたりしてゆきけり しなののくにあさまのたけにけふり のたつを見て しなのなるあさまのたけにたつ煙 をちこち人のみやはとかめぬ/s16l
https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200024817/16?ln=ja
【絵】/s17r