伊勢物語
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昔、男ありけり。懸想(けさう)じける女のもとに、ひじき藻(も)といふ物をやるとて、
思ひあらば葎(むぐら)の宿に寝もしなんひじきものには袖(そで)をしつつも
二条の后(きさき)1)の、まだ御門2)にもつかうまつり給はで、ただ人にておはしける時のことなり。
むかしおとこありけりけさうしける女 のもとにひしきもといふ物をやるとて 思ひあらはむくらの宿にねもしなん ひしきものにはそてをしつつも 二条のきさきのまたみかとにもつかう まつり給はてたた人にておはしける ときのことなり/s9r 【絵】/s9l
https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200024817/9?ln=ja