大和物語 ====== 第131段 先帝の御時卯月のついたちの日鶯の鳴かぬを詠ませ給ひける公忠・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 先帝((醍醐天皇))の御時、卯月のついたちの日、鶯の鳴かぬを詠ませ給ひける、公忠(きんただ)((源公忠))、   春はただ昨日ばかりを鶯のかぎれるごとも鳴かぬ今日かな となん詠みたりける。 ===== 翻刻 ===== 先帝の御ときう月のついたちの日 鶯のなかぬをよませ玉けるきんたた 春はたたきのうはかりを鶯の かきれることもなかぬけふかな となんよみたりける/d20l