大和物語 ====== 第78段 監の命婦朝拝の威儀の命婦にて出でたりけるを・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 監の命婦、朝拝の威儀の命婦にて、出でたりけるを、弾正の皇子((陽成天皇皇子元平親王か))、見給ひて、にはかにまどひ懸想(けさう)じ給ひけり。 御文(おんふみ)ありける御返事に、   うちつけにまとふ心と聞くからになぐさめやすくおもほゆるかな 皇子の御歌はいかがありけん、忘れにけり。 ===== 翻刻 ===== けむの命婦朝拝のゐきの命婦に ていてたりけるを弾正の御こみ給 てにはかにまとひけさうしたまひ けり御ふみありける御返事に うちつけにまとふこころときく からになくさめやすくおもほゆるかな 御この御うたはいかかありけんわすれ/d39r にけり又をなし御こにをなし女/d39l