大和物語 ====== 第73段 人の国の守の下りける馬のはなむけを堤の中納言のして・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 人の国の守の下りける馬のはなむけを、堤の中納言((藤原兼輔))のして待ち給ひけるに、暮るるまで来ざりければ、言ひやり給ひける。   別るべきともあるものをひねもすに待つとてさへも歎きつるかな とありければ、まどひ来にけり。 ===== 翻刻 ===== ひとのくにのかみのくたりけるむまの はなむけをつつみの中納言のして まちたまひけるにくるるまてこさ りけれはいひやり給ける/d37r わかるへきともあるものをひね もすにまつとてさへもなけきつるかな とありけれはまとひきにけり/d37l