大和物語 ====== 第68段 枇杷殿よりとし子が家に柏木のありけるを折りに給はりけり・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 枇杷殿((藤原仲平))より、とし子が家に柏木(かしはぎ)のありけるを、折りに給はりけり。 折らせて、書き付けて、奉りける。   わが宿をいつかは君がならの葉のならし顔には折りにおこする 御返事   柏木に葉守(はもり)の神のましけるを知らでぞ折りし祟(たた)りなさるな ===== 翻刻 ===== (左大臣仲平)枇杷殿よりとしこかいへにかしは木の ありけるををりに給はりけりをら/d34r せてかきつけてたてまつりける 我やとをいつかはきみかならの葉の ならしかほにはをりにをこする 御返事 かしは木にはもりの神のまし けるをしらてそおりしたたりなさるな/d34l