大和物語 ====== 第63段 故右京の大夫の人のむすめを忍びて得たりけるを親聞ききつけて・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 故右京の大夫((源宗于))の、人のむすめを忍びて得たりけるを、親聞ききつけて、ののしりて、会はせざりければ、わびて帰りにけり。 さて、朝(あした)に詠みてやりける。   さもこそは峰の嵐は荒からめなびきし枝をうらみてぞ来し ===== 翻刻 ===== 故右京のかみのひとのむすめをしのひ てえたりけるをおやききつけて ののしりてあはせさりけれはわひてか えりにけりさてあしたによみてや りける さもこそはみねのあらしはあらから めなひきしえたをうらみてそこし/d31l