大和物語 ====== 第46段 平中閑院の御に絶えてのちほど経て逢ひたりけり・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 平中((平貞文))、閑院の御(ご)に絶えてのち、ほど経て逢ひたりけり。 さて、のちに言ひおこせたりける。   うちとけて君は寝ぬらんわれはしも露のおきゐて恋ひに明かしつ 女、返事、   白露のおきふし誰を恋ひつらんわれは聞きおはず石(いそ)の神にて ===== 翻刻 ===== 平中閑院のこにたえてのちほとへてあひ たりけりさてのちにいひをこせたりける うちとけてきみはねぬらん我はしも つゆのおきゐてこひにあかしつ をんな返事/d46l しらつゆのおきふしたれをこひ つらん我はききをはすいその神にて/d47r