大和物語 ====== 第22段 良少将太刀の緒にすべき革を求めければ監の命婦なん・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 良少将((良峯宗貞・良峯仲連・良峯義方などの説がある。[[u_yamato022|前話]]参照。))、太刀の緒にすべき革を求めければ、監の命婦なん、「わがもとにあり」と言ひて、久しく出ださざりければ、   あだ人のたのめわたりしそめかはの色の深さを見てややみなん となんいへりければ、監の命婦、めでくつがへりて、求めてやりけり。 ===== 翻刻 ===== 良少将たちのをにすへきかはをもと めけれは監の命婦なんわかもとにあ りといひてひさしくいたささりけれは あたひとのたのめわたりしそめ かはのいろのふかさをみてややみなん となんいえりけれは監のみやうふめて くつかえりてもとめてやりけり/d15r