大和物語 ====== 第21段 良少将兵衛佐なりけるころ監の命婦になむ住みける・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 良少将((良峯宗貞・良峯仲連・良峯義方などの説がある。))、兵衛佐なりけるころ、監の命婦になむ住みける。 女のもとに((諸本「女のもとより」。))、   柏木(かしはぎ)の森の下草おいぬとも身をいたづらになさずもあらなん 返し、   柏木の森の下草おいのよにかかる思ひはあらじとぞ思ふ となん言ひける。 ===== 翻刻 ===== 良岑仲連天慶元年十二月任左少将元□兵衛佐 良少将兵衛佐なりけるころ監の命婦に なむすみける女のもとに かしは木のもりのしたくさをひぬとも みをいたつらになさすもあらなん かへし/d14l かしは木のもりのしたくさをひの よにかかるおもひはあらしとそおもふ となんいひける/d15r